監督:伊丹十三
出演:渡部篤郎/佐伯日菜子/山崎努/柴田美保子/宮本信子/今井雅之/大森嘉
之/岡村喬生/神田うの/他
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【物語】
知的障害者のイーヨー(渡部)は、すばらしい作曲の才能が有り、妹のマーちゃん
(佐伯)は、それはイーヨーが汚れの無い心の持ち主だからじゃと、いつも考えとっ
た。
イーヨーの父親で国際的な文学者のケイ(山崎)は、オーストラリアの大学に招か
れ、妻(柴田)と二人で行く事になり、半年以上家を留守にする。
両親のおらん間、マーちゃんは、イーヨの世話を自らすすんでやっとった。
しかし、弟オーちゃん(大森)と三人暮らしの家には、おかしな事が起こる。
頼みもせんのに、家の門柱の上にいつも水の入った瓶を置いて帰る、怪しいおっさ
んは現れるは、イーヨーに水泳を習わせようと、水泳教室に二人で通い始め、イーヨ
ーについてくれた水泳コーチ(岡村)の事を国際電話で話した時の、父親の不可解な
マーちゃんへの指示など、日常の些細な出来事が、真面目なマーちゃんには気にかか
ってしょうがない・・・
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《独断感想・エトセト欄》
ホームドラマで、まぁまぁの出来。
日常の坦々とした情景の中に、知的障害者ゆえに欲望を持たん主人公に比べ、周り
の人間がいかに色んな欲望を持っとるかを、浮き彫りにされるよう描かれとる。
伊丹十三監督は、義弟の大江健三郎の原作を、かなり自分の思い通りに変化させと
り、この辺は評価の別れるところじゃろ〜?
原作からのイメージで、観終わった後、ホンワカと爽やかな思いが心に残る映画を
期待しとったが、それは完全に裏切られた。
つまり、あまり後味が良い映画には仕上がっとらんのんじゃ。
映画の中盤に、水泳コーチの過去の疑惑をケイが本に書いた内容の事で、コーチに
逆怨みされる話が有り、その本の内容を映像化して有るが、あのレイプシーンや、後
半マーちゃん自身が同じような目に会うシーンが、あまりにも殺伐と感じられ、原作
が本来持っとったホノボノとした日常を感じられず終わるのには、不満が残る。
異質なものが入りこみ、映画の雰囲気を台無しにしとり、この違和感がどうしても
拭えん。
こんなシーンは、あそこまで具体的に映像にせんでも、ボンヤリと描けば良さそう
なもんじゃとわしは思うんじゃがね〜?
もっとも、ここらへんが伊丹十三監督の持ち味と言えん事も無いけど・・・
伊丹作品の特徴である、強烈な照明によるクッキリ感や、ド派手な色彩感の映像は
相変わらずで、この辺は個性の光るところじゃ。
主演の渡部篤郎は、知的障害者の主人公を自然体で好演しとる。
マーちゃん役の佐伯日菜子の飄々としたところも実に良い。
この二人以外は、ほとんどがチョイ役なんで評価対象外じゃが、キャスティングは
全般に良い。
ビデオの最後に7分ほどの「O・MA・KE」が有り、撮影現場に大江健三郎と大
江光が訪れた時の模様や、映画公開時の挨拶の模様などが収録されとり、興味深い。
映画でも使われとる大江光の音楽は題名といい、内容といい楽しいね〜?
伊丹十三監督作品の好きなわしとしては、面白く観れたが、この映画は多くの人に
は、不評かもしれんね〜?
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