監督:ロバート・レッドフォード
出演:レイフ・ファインズ/ジョン・タトゥーロ/ロブ・モロー/ポール・スコフ
ィールド/マーティン・スコセッシ/デビッド・ペイマー/バリー・レビン
ソン/他
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【物語】
1950年代のアメリカで人気のテレビ番組「クイズ21」は、ジャンルごとに最
高11点まで賭けられ、問題に正解すると持ち点に加算され、21点で勝ちになる。
ニューヨークのダウン・タウン、クィーンズに住むハービー(タトゥーロ)は、勝
ち進んで来た強いクイズ・チャンピオンじゃった。
しかし、ハービーの学歴や見栄えの悪さから、最近はこのチャンピオンが視聴者に
飽きられ、「21」の視聴率はこのところ平行線を辿り、スポンサーはプロデューサ
ーのダン(ベイマー)にチャンピオンを交代させるよう圧力をかける。
次のチャンピオン候補を探しとったダンは、ちょうど同じテレビ局の他のクイズ番
組に応募して来た、名門一家でハンサムなコロンビア大学教授のチャールズ(ファイ
ンズ)に目をつけ、「21」に出場させる。
ダンは事前に、チャンピオンのハービーに他の番組への出場を餌にして、わざと間
違えて負けるよう依頼する。
裏取引通りチャールズにチャンピオンの座を明け渡したハービーは、ダンに約束を
履行するよう迫るが、ダンは元々約束を守るつもりはなかったんで、つっぱねる。
チャールズは番組前に答えを教えてもらい、毎週勝ち進み、チャンピオンを維持し
続け、その容貌の良さからも人気者になり、番組は高視聴率を得る。
一般視聴者は、大学教授で家柄の良いチャールズに不正を感じんかったが、立法管
理委員会の調査官リチャード(モロー)は、ハーバート大を首席で卒業したきれ者で
、「21」の放送を見て、番組に不正が有るんじゃ〜ないかと疑惑を抱き、調査を開
始する。
やがてリチャードは、ハービーから番組の不正を聞き出し、関係者に事情聴取をす
るが、ハービー以外は皆、不正は無かったと口を揃える。
不正の証拠がみつからんリチャードは、人気者のチャールズに近づき、彼の良心に
訴えるが・・・
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
《独断感想・エトセト欄》
人間ドラマで、面白く、しっかり見せてくれる。
主演のレイフ・ファインズは、甘いマスクを生かし、名門出の人気者を淡々と自然
体で演じとり、おさえ気味の演技に好感が持てる。
ロブ・モローの存在は、最初何をやっとるんか判らんかったが、徐々に重要なポイ
トの役じゃと判る。
優秀な司法の調査官で、一見冷徹そうな面も見せながら、友達のような感情を抱く
ようになった男から、その男にとって不利になる証言を引き出すのをためらい、温情
を示すような、ちょっと複雑な役どころを好演しとる。
ジョン・タトゥーロは、そのクセの有る風貌を逆に生かし、ややオーバーとも思え
る演技でアクのあるキャラクターを演じ、主役を見事に引き立てとる。
わき役陣も、味わい深い渋い人が多く、お陰で映画にリアリティを感じる。
しかし、ロバート・レッドフォード監督はうまいね〜。
多くの俳優兼監督の中でも、特に才能豊かな一人じゃとわしは思う。
その証拠に、この2時間以上の長い映画を、丁寧な構成で飽きささずに最後まで一
気に観せてくれるのは、相当な力量じゃ。
過去、社会問題になったテーマに、真面目に取り組んどり、問題提起とゆ〜ほどの
ものじゃ〜ないが、テレビについて考えさせてくれる。
今でも、クイズ番組に常に着いてまわる”やらせ疑惑”は根強く有るが、もしイン
チキが有っても、手口はこの映画のような単純なものじゃ〜なく、もっと巧妙で分か
りにくいと思える。
しかも、映画の最後で諮問されたプロデューサーが言うように、重大な公的問題を
扱ったわけじゃ〜なく、クイズ番組は単なる娯楽番組のひとつで、エンターテインメ
ントを提供しとるだけじゃと言われたら、あ〜なるほど、と思ってしまう。
テレビとゆ〜虚構を見せてくれる媒体には、どんな番組にも多少のやらせが有り、
それを常に意識しとかんといけん事に気付く。
ま〜、そんなややこしい事はともかく、音楽、カメラ、照明、キャスティングなど
が総て良く、面白く観れる映画じゃ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−