プライベート・ライアン
SAVING PRIVATE RYAN
    
 1998年  米  パラマウント/ドリーム・ワークス

 (170分)  予告等一切無し  コピーガード仕様

 Hi−Fiステレオ  ドルビーサラウンド  ワイド版有り

 ビデオリリース日:1999年6月25日

 監督:スティーブン・スピルバーグ                                        
 出演:トム・ハンクス/マット・ディモン/エドワード・バーンズ/トム・サイズ
    モア/ジェレミー・デイビス/テッド・ダンソン/アダム・ゴールドバーグ
    /他                                       
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【物語】
 第2次世界大戦中のフランス。                       
 1944年6月、連合国軍によるノルマンディー上陸作戦が成功したばかりの米国
防省では、戦死者の家族への訃報のタイプ打ちが大忙しじゃった。        
 そこでライアン家から出征した4人のうち、3人の兄弟の戦死報告が偶然同一日に
揃い、米軍上層部では、以前、ある一家の5人兄弟全部が同時に戦死して問題になっ
たのを思い出し、ライアン家の末弟ジェームズが無事なら帰国させようと考え、ジェ
ームズ2等兵の救出命令を出す。                       
 ジェームズは上陸作戦が開始される直前に、ドイツ軍の後方かく乱の為、フランス
内部にパラシュート降下しとり、はっきりした居場所も安否もサッパリわからん。 
 命令を受けたミラー大尉(ハンクス)指揮する8人の小隊は、ジェームズ捜査の為
ドイツ軍のウジャウジャ居る、フランス内陸に点在する連合国軍占拠地区を、探し歩
く・・・                                  
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《独断感想・エトセト欄》
 本格的戦争ドラマで、すごい!!                      
 冒頭30分ほど続く、ノルマンディー上陸作戦の壮絶な戦闘シーンで、まず最初に
頭をガーンと張り飛ばされる。                        
 リアリティを追求した映像と音は、とにかくハンパじゃ〜ない。        
 物語自体は一人の人間探しとゆ〜ありふれた内容のはずが、冒頭の戦闘シーンの生
々しさに、いつまたあんなむごい戦闘シーンが起こるのやら、とズッと緊張状態で画
面を見続けることになる。                          
 ここらへんの構成と映像造りの巧みさは、さすがにスティーブン・スピルバーグ監
督じゃね〜!?                               
 3時間近い長さを、緊張感を維持したまま、グイグイ引っ張って行く。     
 途中の引っ掛けや、伏線の張り方なんかも見事で、最後にはジワーッと感動が押し
寄せ、グッとこみ上げて来て泣ける。                     
 いや〜、やっぱし、うまい!としか言いようが無い。             
 それにしても、ここまでリアリティを追求するスピルバーグ監督作品の製作スタッ
フや出演者は大変じゃろ〜ね〜?                       
 なんせ、戦車の大砲やバズーカ砲、小火機などの発射と、着弾が必ず一致する。 
 兵士が銃撃で死ぬシーンは、遠くの者も必ず身体に着弾する。         
 砲弾の破裂などでは、身体がバラバラに吹っ飛んだりする。          
 海中にも銃弾が航跡になって、溺れる兵士に襲い掛かる。           
 戦車が近づくと兵隊が身を隠した塹壕の土が、戦車の振動でパラパラと崩れていく
様なんか、う〜ん、細かい!                         
 火炎瓶なんか、ほんまに投げとるようじゃ。                 
 FSXもかなり有るはずじゃが、こうなるとスタントマンも命がけじゃ。    
 俳優も、生傷が絶えんかったんと違うかしら?                
 主演のトム・ハンクスは、8人の命をかけて1人の2等兵を救出するとゆ〜命令に
矛盾を感じながらも、命令には忠実な陸軍士官を巧演しとる。          
 緊張すると手が震える様なんか、実に自然な演技で、これまた、うまい!!   
 さすが、アカデミー主演男優賞を「フィラデルフィア」と「フォレスト・ガンプ/
一期一会」で、2年連続獲得したのはダテじゃ〜ない。             
 この映画で更なる主演男優賞の獲得を狙ったが、残念ながら3年連続の受賞は成ら
んかったね〜。                               
 小隊の8人は、頭脳的な士官、士官には従順じゃが兵士に厳しい鬼軍曹、腕の立つ
狙撃兵、文句ばかり言う兵士、銃の撃ち方もよ〜知らん通訳兵、衛生兵など、それぞ
れのキャスティングも良い。                         
 また、この兵士の性格の組み合わせ方は、昔の戦争TVドラマ「コンバット」のヘ
ンリー少尉とサンダース軍曹の小隊を彷彿とさせてくれるが、あのドラマのエピソー
ドに時々有った、ほのぼのとした雰囲気は、この映画じゃ〜一切感じさせず、死ぬか
生きるかは”運”のみとゆ〜本当の戦場の怖さがヒシヒシと伝わって来る。    
 遠くから戦車が近づくのを、戦車がなかなか姿を見せずに、エンジンとキャタピラ
の音だけが段々と大きくなってくる演出も、かえって不気味さが良く感じられ、兵士
の緊張感が伝わってくるようじゃ。                      
 映画館で観た時は、手持ち撮影機による、兵士の視線と同じに見せる画角や、コマ
落しによる緊迫感を煽る編集は、船酔いの気分になり、気持ちが悪くなると言う人も
居ったようじゃが、わしはそんな違和感は無く、演出の意図通りに感じられた。  
 ところが、ビデオになると、映画の24コマ/秒とビデオの30コマ/秒の誤差に
より、映像がパタパタと感じるように見え、写真をつなぎ合わせたような映像になる
んで緊迫感が薄れてしまうようじゃ。                     
 じゃが、ドルビーサラウンド・ステレオの音場は素晴らしく、ちゃんとした装置を
セットして聞くと、砲弾や銃弾が頭上や後方を飛び交う。            
 無音を挟んで、かえって戦場の大音響を表現するなど、どれをとっても実に見事な
演出で、これこそリアリズム戦争映画の決定版と言えるね〜?          
 しかも、戦闘シーンがリアルで有りゃ〜有るほど、戦争のむごたらしさを実感させ
てくれ、反戦映画としても超一級品に仕上がっとる。              
 これは、一人でも多くの人に観てもらいたい映画です。            
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