監督:シェ・チン(謝晋)
出演:ティン・イー/プー・ツンシン/ファン・チャオ/ヨウ・ヨン/リン・ラン
/栗原小巻/川田淳子/他
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【物語】
太平洋戦争の終結で、中国大陸から日本人は逃げるように引き揚げる事になり、そ
の騒ぎの中で、旧満州の乳泉村の草むらに、日本人の赤ん坊がバスケットに入れられ
て捨てられとり、村で産婆をしとる羊角「やんちゃお」(ティン)婆さんが、その子
を拾う。
羊角には息子と娘が居るが、息子葫芦「ふーるー」(ヨウ)は耳が遠く、言葉が喋
れず、30歳過ぎても嫁の来てが無く、羊角は葫芦の老後の事を考え、拾った赤ん坊
に狗娃「くわ」(仔犬の意味で、字幕スーパーでは”犬坊”となっとる)と名付け、
孫として育てようと考える。
娘の秀「しゅう」(リン)は、狗娃を歳の離れた弟のよ〜に、面倒を良くみて可愛
がるが、葫芦は日本人の狗娃を嫌い、可愛がろうとはせんかった。
村には戦争で負傷して日本人に怨みを抱く人間も多く、狗娃は嫌われ、村の子供達
からいじめられながらも、羊角や秀の愛情でスクスクと育つ。
葫芦にも幼いながらも尽くす様になると、最初嫌っとった葫芦も、段々と情が湧い
て来て、狗娃を可愛がるようになる。
狗娃も葫芦をお父さんと呼ぶまでなつくが、葫芦が出稼ぎ先の鉄道工事で落石事故
に合って死に、羊角と秀はその後始末に出かけるため、幼い狗娃を連れていけんので
、隣村の子供のおらん行商人の牛家に養子にやる。
数年ぶりに羊角が牛家を訪れると、行商人夫婦に子供が生まれとり、狗娃が真冬に
ペラペラの木綿の服一枚で酷使されとるのを見て、羊角はすぐ狗娃を連れ帰る。
しかし羊角の家も生活が苦しく、秀(ファン)は孝行の為結納金目当てで、歳の離
れた男の家に嫁ぎ、狗娃は心の支えをまた無くしてしまう・・・
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《独断感想・エトセト欄》
これは、良い、実に良い!!
興行成績はどうか知らんが、内容は抜群に良く、大当たりの映画じゃ!!
中国残留孤児の苦労を、中国側からキチッと映画化して有り、深く感銘を受ける。
シェ・チン監督が丁寧な演出と、オーソドックスな音楽のつけ方で、地味ながらも
心にしみ込む内容に仕上げとる。
久し振りに、真面目な人情映画に接し、心が洗われた。
主演の羊角お婆さん役のティン・イーのうまい事。
また、秀の少女時代役のリン・ランのうまい事。
狗娃の少年時代役の子役の、何とも言えん目の使い方もうまいで〜。
栗原小巻は、さすが芸達者、残留孤児をした事を今も心に引きずる、老いた母親役
を丁寧に演じとる。
日本人通訳、加藤美智子役の川田淳子とゆ〜女優はよく知らんが、中々好感の持て
るキャラクターじゃ。
音声はステレオ録音なんじゃが、ワウフラッターの異常に悪い箇所がチョコチョコ
有り、折角の名画にちょっと水を差すよ〜にも感じるが、ま〜そんなんが多少有って
も、この映画の良さにはあまり影響は無い。
昔は三益愛子(古い?)の母物なんかの系列で、この手の泣ける映画を日本映画界
も沢山作っとったのに、今は商業ベースにならんので、全然作らんね〜。
地味なパッケージで目を引かんかもしれんけど、この映画は、皆さんに是非とも観
てもらいたいもんです。
なお、シェ・チン監督には「芙蓉鎮」(ふようちん)とゆ〜傑作が有り、この映画
は165分とゆ〜大作で、文化大革命当時の中国の田舎町、”芙蓉町”に住む女性の
、波瀾に富んだ半世を描いてあり、これも最後まで一気に観せてくれるんで、興味が
有ったら、この「芙蓉鎮」もご覧下しゃ〜ね。
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