くら 

    
 1995年  日本  東映

 (137分)  内予告7分  文部省選定

 Hi−Fiステレオ  ドルビーサラウンド  ビスタサイズ

 ビデオリリース日:1996年4月12日

 監督:降旗康男                              
 出演:浅野ゆう子松方弘樹一色妙英黒木瞳/夏川結衣/西島秀俊/蟹江敬三
    /朝丘雪路/加藤治子/他                      
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【物語】
 大正時代の新潟の大地主・田乃内(松方)は、酒蔵を持ち、冬になると新酒を仕込
んどった。                                 
 田乃内の妻(黒木)は、元来病弱で、しかも8人子供を産んだが全員が3歳未満で
死んでしまうとゆ〜悲しい経験をしとり、もう体力的にもこれが最後の子供と9人目
の女の子を出産する。                            
 娘は烈(一色)と名付けられ、体の弱い母に代わり母の妹・佐穂(浅野)が烈の面倒
をみる事になり、烈はすくすくと育つが、小学校に入る頃、烈の視力が落ちとるのが
判る。                                   
 医者に診せると、夜盲症と診断され、この病は徐々に進行し、そのうち失明すると
のことで、両親と佐穂は落胆する。                      
 烈の祖母の田乃内の老いた母親は、烈の眼の病治癒を神仏に祈願する為巡礼に出る
が、老齢の為途中で頓挫する。                        
 祖母の意思を継ぎ、巡礼の続きを母が病弱な体を無理に動かして巡礼したあげく、
途中の宿で死亡する。                            
 田乃内は、妻の死と烈の眼の病の二重の精神負担に、夜遊びを続け、やがて、一人
の若い芸者と懇意になり、その若い芸者を後妻に迎える。            
 佐穂は田乃内家に身の置き所が無くなり、実家に帰ろうと思うが、目の不自由な烈
の事を心配し、田乃内家に止まり烈の面倒を見る事になる。           
 やがて成人した烈は、その頃、完全に失明してしまう。            
 田乃内と後妻の間に男の子が産まれるが、5歳の時事故で死亡し、そのショックで
田乃内も寝込むようになり、万一を考え、遺産の半分を烈に、残りの半分を佐穂と後
妻に分けると遺言する。                           
 烈は、遺産は田や山より蔵を欲しがり、田乃内の病気で中止になっとる酒造りを再
開したいと言う。                              
 酒造りは男の仕事で、蔵は女性立ち入り禁止の風潮の有る当時、女の蔵元なんか考
えられんのし烈の眼が見えんのを考え、田乃内は最初渋るが、烈の熱意に、蔵元をさ
せる。                                   
 酒造りを再開すると、酒造り職人が集められ、その中に、かつて子供の頃、酒造り
見習いとして来とった小僧で烈の面倒を見てくれた男が、立派に成人しとり、烈は再
会と同時に、彼に恋してしまう・・・                     
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《独断感想・エトセト欄》
 文芸大作で、シットリとみせてくれる。                   
 降旗康男は、130分の長さを感じささん丁寧な作りで、順を追った構成で判り易
く、最後まで一気に観せてくれる。                      
 カメラも北国の雪深い里の情景を見事に撮っとる。              
 じゃが、エンド・クレジットで、それまで確か雪深い海辺のはずの風景が、いきな
り雪も何もないカットになってしまうとゆ〜大失態の構成は、これは何か意図が有る
んじゃろ〜か?                               
 う〜ん判らん・・・                            
 それはともかく、主演の浅野ゆう子は、1996年の日本アカデミー賞主演女優賞を受
賞しただけ有り見事な演技じゃ。                       
 浅野がこんなにうまかったとは・・・再認識させられた。           
 松方弘樹はもう、さすがの安定感で、最後の盛り上がりのところなんかでは、思わ
ずグッと来るほどじゃ。                           
 一色妙英は、あの一本調子のたどたどしさが、何が逆に初々しさに見えて来るんで
不思議じゃ。                                
 これは役が、盲目の女性とゆ〜事で、セリフ回しが多少ぎこちなくても、かえって
それが自然に聞こえるんで得をしとる。                    
 ところで、建築屋のわしとしては、映画の撮影舞台になった重要文化財の大豪邸の
民家の見事さにどうしても目が行く。                     
 雪の中に建つ木造の大民家は、当時その建物を建てた人の財力を、いやがおうでも
見せつけられる。                              
 そんな本物を使用して撮影された映画だけに、さすがに奥行きの有る映像になっと
り、大正時代の空気を感じさせる女性のヘアースタイルも、当時の雰囲気を上手にと
らえとり、全体的には水準以上の作品で、面白く観れるで〜。          
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