はおうべっき
さらば、わが愛/覇王別姫
覇王別姫 : FAREWELL TO MY CONCUBINE
    
 1993年  香港/中国  ヘラルド

 (179分)  予告他7分  コピーガード仕様

 Hi−Fiステレオ  ドルビーサラウンド

 ビデオリリース日:1994年11月4日

 監督:チェン・カイコー                          
 出演:レスリー・チャンコン・リー/チャン・フォンイー/ルオ・ツァイ/クー
    ・ヤウ/トン・ディ/イン・ダー/チー・イートン/ホアン・ペイ/他  
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【物語】
 1925年ごろから1970年代後半までの北京が舞台。           
 昔の京劇の訓練所は、小さな子供を集め、過酷な体罰を課して、徹底的に京劇の基
礎をたたき込む。                              
 京劇は歌舞伎と同様に、男が女を演じる女形「おやま」が存在する。      
 小樓(フォンイー)と蝶衣(チェン)は、血のつながりは無いが、京劇訓練所で同
じ釜の飯を食った兄弟同様に育ち、厳しい訓練に耐え、やがて人気役者として名前が
知れるようになった。                            
 とくに二人がコンビで演じる古典劇「覇王別姫」は格別評判が高く、高名な評論家
にも絶賛されるほどじゃった。                        
 女形として、幼いころから徹底的に鍛えられた蝶衣は、女性の心を持つ様になっと
り、いつもかばってくれる義兄の小樓に秘かに恋慕を寄せるようになっとった。  
 そんな蝶衣の気持ちを全然知らん小樓は、娼婦の菊仙(リー)と結婚し、嫉妬した
蝶衣は、今後一緒の芝居には出演せんと言い出す。               
 ちょうどその頃、日本軍が北京に入城し、京劇の芝居小屋に日本軍人が詰めかけ、
日本軍人の前で、京劇が演じられる。                     
 日本軍の士官と、もめた小樓が日本軍に連行され、小樓を救う為、蝶衣は日本軍の
本部に出向き、司令官達の前で京劇の一節を舞う。               
 やがて、太平洋戦争が終わり、日本軍は投降し、代わって国民軍が北京に入城し、
京劇の小屋には国民党の兵隊が押しかける。                  
 彼らはマナーが悪く、俳優達と喧嘩になり、その騒乱の中で、菊仙は流産する。 
 しかも蝶衣は、日本軍の司令部で踊った事が、売国行為として裁判にかけられる。
 釈放後の蝶衣は阿片に溺れ、小樓が必死で治療してやり、再び舞台に立てるまで回
復する。                                  
 やがて、人民解放軍が国民党を破り、共産党政府になり、文化大革命の嵐が中国全
土を吹き荒れ、京劇は古い封建時代の遺物として、解放軍の若者達によって、厳しく
改革を迫られる・・・                            
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《独断感想・エトセト欄》
 1993年のカンヌ映画祭でパルムドール賞(グランプリ)に輝いた、ヒューマン
・ラブ・ロマンスで、すごい!!                       
 第2次世界大戦をはさみ、文化大革命後まで、半世紀近くにわたった時代の波に翻
弄される、3人の男女の人生を、見事な演出で描いてある。           
 チェン・カイコー監督は、硬派映画が得意じゃが、女形を主人公にした、甘美な怪
しい雰囲気を漂わす、こんな映画もうまいんじゃの〜?             
 3時間近くを、飽きささずに、最後まで一気に観せてくれるで〜。       
 後半、やや駆け足的になったのはちと残念じゃが、これは時代が急変したのを表現
したんじゃろ〜か?                             
 ほんまに、1960年から1970年にかけて特に中国全体が猫の目の様にクルク
ル変わったんで、価値観の逆転現象があちこちで起こり、この映画に描かれたような
悲劇が、いたるところで演じられた事じゃろ〜?                
 主演のレスリー・チャンは、女形になりきって、指の先まで神経を使った演技で、
この難しい役をみごとに演じとる。                      
 チャンの演じる女形は、歌舞伎とゆ〜、京劇と同じ男だけで演じられる伝統芸を知
る多くの日本人にとっては、心情も何となく理解出来るじゃろ〜?        
 共演のチャン・フォンイーは飄々としていながら、京劇の将軍役が堂々とこなせる
大した度量を持った俳優じゃ。                        
 コン・リーはもうすっかりその演技力には定評が有るね〜。          
 ものすごい美人ではないが、好ましいキャラクターなんで、好きじゃの〜わし。 
 この三人が火花を散らすような演技合戦を静かにやっとり、それが映画全体からほ
とばしっとるで〜。                             
 京劇が好きなわしは、京劇の危機的な時期が、文化大革命中に有った事を知り、驚
くと同時に、当時の関係者の苦労が偲ばれた。                 
 我々が現在、京劇を楽しめるのも、当時京劇の継承に努力された人々のおかげじゃ
ね〜、謝々。                                
 改めて古典の継承がいかに大切か、また継承にはいかにパワーが必要なのか考えさ
せられるで〜。                               
 それはさておき、中国映画は歴史的背景を、ある程度理解しとかんと分かりにくい
映画が多いんで、とっつきにくいと思うかもしれけ〜ど、この映画は時代の流れが順
を追って描いてあるんで、中国の歴史をきっちりと知らんでも十分理解出来る。  
 じゃが、京劇に馴染みの無い人には、全体的に中国の近代史を見るようで、ちと辛
いかもしれんね〜?                             
 それでも、男女の奇妙な三角関係を軸にした、ちょっと変わった恋愛映画として、
心を打つものが有るんで、皆さん、是非ご覧下しゃ〜。             
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