監督:石井輝男
出演:佐野史郎/横山あきお/中山ちか/久積絵夢/荻野純一/水木薫/川崎麻世
/岡田奈々/他
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【物語】
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「李さん一家」
売れん漫画家の津部(佐野)は、郊外の取り壊し寸前のあばら家に、只同然の家賃
で住んどると、庭にまぎれ込んで来た、小鳥と話が出来る李さんと知り合う。
李さんには、海女をしとった若い日本人の妻と幼い二人の子供がおり、いつのまに
か李さん一家4人は、二階に住みついてしまう・・・
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「紅い花」
川魚釣りに出かけた津部は、山奥で、2年留年した小学6年生の”きくちさよこ”
がたった一人で営む茶店で休憩する。
さよこの同級生の”しんでんのまさじ”の案内で、けもの道を辿って岩魚釣りの穴
場に向かう途中、川の畔に、見事な紅い花が咲いとるのを見る・・・
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「ゲンセンカン主人」
ある鄙びた町に行った津部は、老人相手の駄菓子屋のお婆さんから、その町の小さ
な宿屋”ゲンセンカン”の主人にそっくりじゃと言われる。
興味を持った津部は”ゲンセンカン主人”が、この町に来て、旅館の主人におさま
るまでの、いきさつをお婆さんから聞く・・・
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「池袋百点会」
津部がいつも入り浸っとる喫茶店ランボウの、美人ウェイトレス福子の恋人、伊守
は、池袋の商店案内パンフレットを作って商店に売りつける「池袋百点会」を作り、
津部もその計画に参加し、イラストの担当になる。
会で営業の人間を募集すると、須山とゆ〜冴えん男が一人だけ応募して来る。
皆で手分けして勧誘に回るが、2カ月経っても一件も商店の契約が取れん。
とうとう「池袋百点会」を解散するが、実は須山が契約を30件も取り、契約金を
着服して逃走しとる事が判明し、契約金を払った商店主から追求された伊守は、夜逃
げして”つげ”の下宿に福子と二人、ころがり込んで来る・・・
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《独断感想・エトセト欄》
漫画で独特の味わいを持つ”つげ義春”ワールドがそのまんま展開しとる。
同じ”つげ義春”ワールドの「無能の人」(1991/松竹富士/監督:竹中直人
)に比べ、悪く言えば、漫画をそのまま映画にしただけ、良く言えば、原作にあくま
でも忠実に作って有る。
展開の仕方は、オムニバスとはちょっと違い、津部が青林堂(漫画月刊誌”ガロ”
の出版元)に原稿を持ち込み、そこの編集部で編集者が津部の漫画原稿を読むと、原
稿の内容が映像化されるとゆ〜形態になっとる。
セリフひとつひとつが漫画そのままで、構図や人物の動き方まで一緒。
ここまで原作に忠実に作られると、原作を読んどる者には、もう先の展開が全部分
かってしまうんで、映画としての新鮮味は全然無い。
この辺はベテランの石井輝男監督自身の脚本によるもんで、面白味は無いが、無難
なまとめ方をしとるね〜。
主演の佐野史郎は、瓢々としたいつもの怪演で、冴えない漫画家を見事に演じとり
、映画全体が佐野の好演で一本筋が通っとり、救われる。
ところで、”つげ義春”本人が「無能の人」でもチラと映画に出とったが、この映
画にも最後にチラッと出てくるのはご愛嬌?
原作を読んどる人にとっては、原作と映画を比較してみるのも面白いかもしれんが
、原作を知らん人が映画の「ゲンセンカン主人」等のエピソードを面白く感じるかは
疑問じゃ。
そうでの〜ても難解な”つげ義春”の世界が、「ゲンセンカン主人」では特に難解
で、初めて触れる人には、何の事やらサッパリ理解出来んはずじゃ。
誰にでもお薦め出来る娯楽作品じゃ〜無いが、”つげ義春”のファンや、ちょっと
かわった映画の好きな人は是非どうぞ!!
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