学 校 2
    
 1996年  日本  松竹

(129分) 内予告他6分  文部省選定  コピーガード仕様

 Hi−Fiステレオ  ドルビーサラウンド  ビスタサイズ

 ビデオリリース:1997年4月21日

 監督:山田洋次                                                            
 出演:西田敏行吉岡秀隆永瀬正敏いしだあゆみ/神戸浩/中村富十郎/原日
    出子/泉ピン子/他                                                  
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【物語】
 北海道の小さな町に有る、竜別高等養護学校。                                
 そこでは軽度の知的障害を持つ高校生の年代の生徒が学んどり、遠くからの生徒は
寮生活をしとった。                                                          
 ベテランのリュー先生(西田)が担任のクラスは、副担任の玲子先生(いしだ)と
補佐の腰掛け気分の新任教師大輔先生(永瀬)の3人で生徒の面倒をみとった。    
 リュー先生のクラスの生徒の中には、中学時代いじめられて心に深い傷を負い、言
葉を喋らんようになった高志(吉岡)や、離れて暮らす母を求めて片時もじっとしと
らず、暴れたり、大小ところかまわずの祐矢(神戸)など、難しい生徒が居った。  
 まだ雪深い3月のある日曜日、高志が祐矢を連れ、買い物に行くと寮から外出し、
何時間経っても戻って来ん、と寮から連絡が有り、玲子先生は休日の先生を非常呼集
し、手分けして高志たちの行方を捜す。                                        
 JR滝川駅で、高志と祐矢の二人が電車で旭川に向かった事が判り、リュー先生と
大輔先生の二人は車で旭川に向かう。                                          
 高志は、旭川で行われた大ファンの安室奈美恵のコンサートを祐矢と一緒に観に行
き、コンサートの後、旭川のホテルに就職しとる、竜別高等養護学校の卒業生の先輩
をたずね、二人はホテルの寮の先輩の部屋に泊めてもらう。                      
 そんな事は全然知らんリュー先生は、二人が厳寒の中で死ぬかもしれんと、必死で
探す・・・                                                                  
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《独断感想・エトセト欄》
 人間ドラマで重い内容じゃが、しっかり観せてくれる。                        
 山田洋次監督は、前作「学校」同様、いわゆる普通の学校とは違う学校に焦点をあ
て、特殊な環境の学校を、綿密な取材で描いとり、生徒にとっても先生にとっても厳
しい学園生活をたんたんと綴っとるが、リアリティを感じさせてくれる。          
 この高校を卒業した生徒には厳しい社会が待ち受けとる訳で、それを考えると、映
画の結末が何も解決の答えを出しとらん事に気づく。                            
 つまり、ハッピーエンドなんか最初っから無い状況なんで、それを求める方が無理
で、映画は単に高等養護学校の、ある年を描いただけのような格好になっとるが、こ
れがかえって主観が入っとらず良い結果になっとる。                            
 3年生は卒業前に社会生活に対応させるための就職実習をするが、企業はどこもな
かなか受け入れに好い顔をせず、やっと試験的に雇ってもらっても、持久力が無く、
飽きっぽく、覚えが悪く、協調性が無く、反抗的、などの理由で、すぐ解雇されてし
まう。                                                                      
 企業側からすれば、この部分を社員に一番求めるものなんで、それが欠如しとる人
間がおると、他の社員にも悪影響を及ぼすとゆ〜考えで、あっさり切捨てる。      
 知的障害が軽度なため、かえって就職先を探すのに難しい面が有るようじゃ。    
 ここらへんを深く追求すると、お説教くさい映画になるが、あっさりと描いとるん
で、逆に観る人が子供たちの厳しい将来を考えさせられる。                      
 また、さすがに山田洋次監督作品だけあり、主な登場人物に、下手クソな役者をキ
ャスティングしとらん。                                                      
 西田敏行は、「釣りバカ」シリーズのハマちゃんのおふざけ役とはガラリと違う、
生徒の事ばかり考える熱心な先生役を好演しとる。                              
 いや〜、ほんまに良い俳優になったもんじゃ。                                
 渥美清の後を継ぐのは、彼が一番近いかもしれんね〜。                        
 いしだあゆみも出番時間は短いながらも、存在感の有る演技で、映画に花を添えと
る。                                                                        
 軽度の知的障害者役の吉岡秀隆は、相変わらずうまい。                        
 彼は、「男はつらいよ」シリーズの”満男”役や、テレビドラマ「北の国から」シ
リーズの”純”役のイメージが強すぎ、何か暗い役ばかりで、ワンパターン演技しか
出来んと思われとるかもしれんが、吉岡秀隆のファン(わしもその一人じゃが)から
みると、彼は役によってガラリと演技を変えとり、”満男”と”純”は全然違う演技
で、その他の映画でも、同じ演技が無いのがすごいところじゃ。                  
 この映画でも、左ききでの食事や勉強、歩き方、しゃべり方など、実に神経をつか
った見事な演技をしとる。                                                    
 大根役者が多いなか、ほんまにうまい俳優の一人じゃとわしは思う。            
 「男はつらいよ」のメイキング・ビデオなんかを観ると、山田洋次監督が他の役者
には細かく指導し、何度もセリフ回しを練習させとるのに、吉岡秀隆にはあまり演技
指導しとらんのが判る。                                                      
 この辺からも、吉岡の演技力が名監督に認められとる事が伺えるとゆ〜もんじゃ。
 これまでの映画で、似たような役が多かったのは彼にとって不幸じゃが、そのうち
きっと大輪の花を咲かせてくれるものと期待しとるで〜!!                      
 永瀬正敏は、抑えた演技で脇役に徹しとり、好感が持てる。                    
 神戸浩も、どこまでが演技か地か判らんほど、役にはまって熱演しとる。        
 じゃが、いくらなんでも神戸浩が高校生とは、年齢的にちょっと無理は有るけど・
・・                                    
 その点、吉岡秀隆の方は、彼も既に26才じゃのに、高校生役にあまり違和感は無
いのはすごい。                                                              
 ところで、この映画は、あまり紹介記事を見掛けんが、これほどの良い映画を、紹
介するほどの映画じゃ〜無いと誰も思おとるはずない。                          
 それのに紹介記事が少ないとゆ〜のは、紹介する記事の中で、うかつな事や単語を
言うと問題になっちゃいけんとゆ〜思惑が有って、触らぬ神にうんぬん調子で、紹介
を見合わせとるんかもしれんが、もしそんな了見の狭さで、こんな良い映画を紹介せ
んのんなら、それはおかしい。                                                
 マスコミに、もっと採り上げて貰って、多くの人に観てもらいたい一本じゃね〜。
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