監督:伊丹十三
出演:三國連太郎/津川雅彦/宮本信子/木内みどり/高瀬春奈/熊谷真実/田中
明夫/三谷昇/村田雄浩/高橋長英/左時枝/南美希子/清水よし子/渡辺
哲/他
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【物語】
映画監督兼俳優の向井(三國)は愛人で女優の綾(高瀬)とシティホテルで密会中
、吐血する。
家に帰った向井は、夫婦関係が冷えきって離婚寸前の妻まり子(宮本)に吐血の事
を告げると、まり子は大学時代の友人で、外科医の緒方(津川)に診てもらおうと総
合病院に連れて行く。
レントゲンや胃カメラ検査の結果、胃癌と診断されるが、緒方は癌告知をしない主
義の医者なんで、妻のまり子にのみ本当の事を言い、向井には胃潰瘍と告げ、手術を
行う。
胃を半分摘出し、順調に回復した向井は退院し、途中やめになっとった映画の撮影
を続ける。
しかし、最後のシーンを撮影する前日、撮影の準備中に倒れ、再入院して検査した
結果、癌が腹膜の方まで転移しとる事が判り、緊急再手術を受ける。
病状の進行が早く、緒方はまり子に向井はあと3カ月ほどの命じゃと告げる。
術後、しばらくして歩けるようになった向井は、院内で癌患者と知り合い、病状や
薬の色なんかを聞いとるうちに、自分も癌じゃ〜ないかと疑いだす。
それまで冷たかった妻のまり子が急に優しくなり、別れ話も立ち消えになり、一所
懸命看病してくれるのも考えたらおかしな話しじゃった。
命の危機を感じた向井は、それでもまだ癌とゆ〜事を信じたくない気持ちも有り、
まり子の留守の間に、綾を病室に連れ込みイチャつく。
向井のわがままと不摂生な行動を諌めに来た緒方と対立し、口喧嘩の言葉の弾みで
緒方はうっかり向井に死を感じ取らせてしまい、絶望し自棄になった向井は、病院の
屋上で自殺を図り、死線をさまよう・・・
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《独断感想・エトセト欄》
”僕ならこう死ぬ”の副題のついた、病院コメディで、面白く観れる。
元々は「大病院」とゆ〜題名で企画されとったが、伊丹監督が例の「ミンボーの女
」にからむ暴漢に傷つけられ、入院した経験から、病院とゆ〜機構そのものより、個
人の生死や気持ちの乱れ、不安定さを重点的にした内容に企画変更されたもんじゃ。
伊丹十三監督は、これがもう監督7作目となり、伊丹映画特有の照明と、アップ多
用のカメラアングルはこの映画でも健在で、手慣れた感じで、うまくまとめて有り、
最後まで飽きささずに、一気に観せてくれる。
出演者も伊丹映画の常連の津川雅彦と大御所の三國連太郎が、丁々発止と火花を散
らして熱演しとる。
三國連太郎はわがままで女好きな監督兼俳優とゆ〜役を、楽しみながら演じとるよ
〜で自然体で好感が持てる。
津川雅彦も、最近多い艶っぽい映画の軟らかい役とは全然違う生真面目な堅物医者
を、骨っぽく真剣に演じとり、え〜で〜。
いつも伊丹映画で主演をしとる宮本信子は、今回は完全に脇役で、役も控えめで出
番も少ない。
代わりに看護主任役の木内みどりが、ベテラン看護婦を巧演しとり、脇役じゃが存
在感が有り、光っとる。
後半、劇中劇の映画の撮影シーンに有る、大オーケストラとの”般若心経”コーラ
スとゆ〜のも、中々するどいアイデアで、またそこで演奏される音楽が良い。
向井が死線をさまようシーンで、「大霊界」(1989年/学研/監督:丹波哲郎
)のよ〜な、あの世のイメージが描写されとるが、「大霊界」や「大霊界2」(19
90年/松竹/監督:服部光則)の荒唐無稽で陳腐な映像より、イメージとしてはこ
っちの方が、そんなアホな〜とゆ〜反発心が少なく、妙に納得出来る。
これまでの伊丹映画に比べ、内容に、良い意味での毒があまり無く、控え目になっ
とるのは、過去の伊丹映画の毒を好むファンにはちと物足りんかもしれんね〜?
しかし、こ〜ゆ〜死に方が出来たらえ〜の〜、と思おてしも〜た。
伊丹映画にはつきもののメイキング映画「大病人の大現場」(1993年/東宝/
監督:武田広)も併せて観ると、この映画の舞台裏が見れて一層面白いで〜。
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